• テキストサイズ

ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第13章 嫁ぎの紅(べに)



『縁下君も、プロポーズしたんでしょ?』

『したよ、もちろん。』

『どんな?』

『え、ふつーに。結婚しよう、って。』

『バラの花束とか持って?
夜景の見えるレストランとか?』

『いや、ちょっと恥ずかしいけどさ、
初めて抱いた後のベッドの上で。
だから、もちろん指輪もナシ。』

『…そりゃまたずいぶん、
大人のシチュエーションだね…』

『そりゃ、俺だってそんなタイミングで
プロポーズするつもりじゃなかったけど。

でもやっぱり、
今しかない、っていう流れだったんだよな。

シチュエーションとか指輪とか、
そんなのどうでもいいくらい、
気持ちが押さえきれなかった。』

『そういう気持ちになるくらい
大好きってことだよね。』

『大好き、っていうか…』

…俺、あのとき、生まれて初めて、
愛してるって言葉、言ったんだよな…

『ん?』

『いや、早瀬も早く、
日向とそんな日が迎えられたらいいな。』

『…縁下君とこんな話すること、
今までなかったね。』

『そういえばそうだな。早瀬に限らず、
他人とこんな話したことなかった。』

『それって、縁下君が結婚したのも関係ある?』

『あぁ、そうかも。
結婚する前は、自分の周りの幸せとか
あんまり考えたことなかった気がする。』

…自分が幸せだから、
人に優しくなれるんだね…

そう思った時、
駅に着いた。


/ 1378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp