第13章 嫁ぎの紅(べに)
『ね、縁下君。なんでみんなそんなに
私達をくっつけたがるのかな?』
『え?
だってお前ら、放っておいたら
キスするまでに3年くらいかかりそうだし。
しかも遠距離恋愛だろ?
一緒に過ごせる貴重なチャンス、
無駄にしたらもったいねーじゃん。
だからみんな、ついついあれこれ
口出ししてしまうんだろーなー。』
『人生初の遠距離恋愛とか、
あんな、ファンがいるような人とつきあうとか…
なんか、昨日は幸せだったのに、
今日は不安でいっぱいなんだよね…』
『日向のこと、好きなんだろ?』
『うん、すごく。』
『じゃ、心配いらないって。
日向は誠実さの塊みたいなヤツだから。
遠距離でも、絶対、信用して大丈夫。
…早瀬が裏切らなければ、だけど。』
『裏切りませんっっ!!』
『結婚式には、呼んでよね。』
『け、け、結婚?
昨日つきあい始めたばっかりなのにっ。』
『俺も遠距離恋愛したことないから
わかんないけどさ、
日向は当分、東京で暮らすんだろ?
なら、早く結婚した方がいいんじゃね?
あぁ、想像しただけで楽しいなぁ、
あの日向が、どんなプロポーズすんだろ。』
…プ、プ、プロポーズ??
け、け、結婚~っ!!…
ギャーッ。
頭の中で、ハート型の爆弾が
炸裂するぅっっっ(爆)