第13章 嫁ぎの紅(べに)
日向君と私がお風呂からあがり
(もちろん、別々に入りましたっ!)
おかーさんも一緒に、リビングで
テレビを見ながらくつろぐ。
…すごく普通の家族みたいな感じ。
ふと、おかーさんが言った。
『翔ちゃん、明日、何時に出発?』
『9時に仙台駅集合です。』
『じゃ、うちで朝ご飯ね。
どれ、ハミマでパン買ってこよう。』
…出て行ってから
30分たっても帰ってこない。
どこのハミマまで行ったんだ?
少し心配し始めた頃、
ピロリ~ンと私のLINEが鳴った。
おかーさんからだ。
"今夜は私、絵美さんちに泊まります。
客間に布団、敷いといたからね。
二人でごゆっくり(^_-)"
…や、やられた…
※絵美さん➡おかーさんの友達。
同じ病院の看護師仲間で
同じバレーチーム。
夫は単身赴任、子供は東京にいるので
現在、一人暮らし満喫中。
どうしても、私と日向君を二人きりに、
…つまり、そういう展開に…させたいらしい。
みんなして、なぜなのさっ?!
『アキちゃん、どうした?律子さんから?』
『う、うん、そーだけど、何でもない…』
これは、
日向君に言うべき事態か?
言わなくていい事態か?
私が判断に迷っている間に
ヒョイと画面を覗いた日向君。
ケラケラと笑ってる。
『律子さん、おっもしろいなぁ!』
…面白い、かな?
『俺、律子さんのこと大好き。
その娘のアキちゃんのことは、もっと大好き!』
…日向君がそう言ってくれるなら、
まぁ、いっか。
ん?
いいのか?
もう、次から次に
あれこれ展開してくから
よくわかんないじゃん!