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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第13章 嫁ぎの紅(べに)




『まぁまぁ、あとは若い者同士で…』
とでも言いたげな、その場の空気におされて

私と日向君は初めて、
二人だけでご飯を食べに行くことになった。

うちの母は後ろから大きな声で
『アキ、今夜は門限ナシだから♥』
と手を振ってるし、

日向君のお父さんは
『翔陽、お金、持ってるか?』
と心配してるし、

日向君のお母さんは
『翔、バレーの話ばっかりしてちゃ
ダメだからね!』
と気をつかってるし、

縁下君は日向君に
何やら耳打ちしてるし…

まるで、国を代表して
オリンピックにでも行くかのような
見送られっぷりで、
私たちはその場を後にした。

『日向君、いいの?こんな始まり方で。』

『え?いいよ?アキちゃん、イヤ?』

『イヤじゃないけど…
最初からオープンすぎない?』

『そうかな?
家族がちゃんと相手を知っててくれるって
安心じゃん?』

…そうか。
縁下君が言ってた『裏表がない』って
こういうこともあるんだろうね。

嘘ついたり、隠し事したりしない。

私も、おかーさんに隠し事なんか
絶対出来ないもん。(すぐバレる。)

だから、想定外ではあったけど、
むしろこんな始まりかたも
案外、いいかもしれないな。


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