• テキストサイズ

ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第13章 嫁ぎの紅(べに)




『それ、ほんと?なんで?いつから?』

困った顔の日向君は、
困った声で言った。

『…好きになるのに、理由って、いる?』

どんな言葉が出てくるのかと
ドキドキしていた私を始め、

その場にいた全員の
"ええっ???"とビックリした心の声が
聞こえたような気がする…

苦笑いした縁下君が気をつかって
助け船を出してくれた。

『ほら日向、お前、言ってたじゃん。
家族を大事にする人がいい、って。』

『あ、それか。』

日向君がニッコリ笑って言う。

『最初、
酔っ払ったアキちゃんを家に送った時にさ、
アキちゃん、
一生懸命、家族の話をしてくれたんだよね。
律子さんのことも、亡くなったお父さんのことも。
俺も自分の家族が大好きだから、
アキちゃんみたいに
家族を大事に思える人っていいな、って思った。』


…覚えてないし。

いや、それより、今のこの状況。

めまいがする。

両家の家族が全員集合したこの場で
公開告白、だなんて…

どうしよう、どうしよう?!
…と考えている私の耳に聞こえたのは…


『キャーッ、嬉しい!』

…なんで、おかーさんが喜ぶ?


『私も嬉しいわぁ~!』

…なんで、
初対面の日向君のお母さんまで?

『お母様、これから私たちも仲良くしましょ!』

…母同士が握手している。
あぁ、外堀が完全に埋まった…

『…ってことで、よかったな、早瀬、日向。』

縁下君は、縁結君になった…


それにしてもっ。
こんなオープンなお付き合いって
ありなんだろうか?

日向君がニコニコしてくれているのが救いだ。

でも。
とりあえず。
縁結君、いや縁下君、ありがとう。

自分ではなかなか認められなかったけど、
日向君を見ると
ドキドキしてしまうこの気持ち。

これは多分、

恋、だと、思うから。

/ 1378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp