第12章 1年後のガーデンパーティー
雪乃…
精一杯をありがとう。
今、
相当、勇気を振り絞って話してくれたんだろ?
あの泣き虫な君が、
逃げたい過去と、
なんとかして向き合おうとしてくれてることが
痛いほど、わかるよ。
その思い、
俺がちゃんと受け止める。
『雪乃。』
両手で雪乃の頬を包み、
うつむいていた顔を上げさせる。
『久しぶりだと、
もしかしたら、今日も痛いかもしれないね。
でも、その時は、我慢しないで言って。
何も今日、最後までしなくても
俺は全然かまわないよ。
雪乃がこうやって誘ってくれて
自分のこと話してくれただけで
すごく嬉しいから。
それに…
好きな人と抱き合うのは、
恐怖じゃなくて幸せなんだって、
雪乃に、心から思ってほしいんだ。
急がなくていいんだよ、
俺、ずーっとそばにいるから。
ね、だから雪乃、
絶対に、無理も我慢もしないで。
約束出来る?』
『…うん。うん、約束する。』