第12章 1年後のガーデンパーティー
その変化は
俺の誕生日にやってきた。
雪乃が珍しく
俺のためにレストランで
ディナーを予約してくれて、
このままもう一軒、バーでも寄ろうか…と
繁華街を手をつないで歩いていた時。
突然、雪乃が立ち止まった。
『ね、ちから君…あっち…』
『ん?』
『…あっち、行こう。』
『え?!』
…あっち、とは、
いわゆるラブホテルが立ち並ぶ通りで…
『雪乃?どうした?』
『今日、ちから君のお誕生日だから…
えぇと…いりませんか?』
?!
『い、いる。いる。いるよ、いるいる…』
あまりに急な展開で、
うろたえる上に、がっつくような返事を
してしまった…。
『でも雪乃、ホントにいいの?
無理してない?』
『うん。ちから君、お誕生日だもん。
いちばん欲しいもの、あげたいから。』