第12章 1年後のガーデンパーティー
ある休みの日。
雪乃さんのリクエストで
海にドライブに来た。
周囲に何もないところだから…と
雪乃さんがお弁当を作ってきてくれて。
『ん~っ、美味いっ!』
パクつく俺を、
嬉しそうに見ている雪乃さん。
最近は、表情が優しくなったな…と
俺にもわかる。
青い海。
人のいない静かな浜辺。
手作り弁当。
…これ以上ないシチュエーション…
『雪乃さん、幸せのチャンスってヤツですけど。』
『あぁ…』
以前、雪乃さんが
スガさんに告白しそこねた時の話だ。
思い出したのか、複雑そうな顔をする。
『俺に、預けてみませんか?』
『縁下さんに?』
『俺と、つきあってほしいんです。』