第12章 1年後のガーデンパーティー
こうして時々、
雪乃さんと会うようになった。
…スガさんたちには、まだ内緒で。
会う、とはいっても
人混みが苦手だという彼女にあわせて
食事に行くか、ドライブに行くか。
でも、
車ではごく自然に
助手席に乗ってくれるようになったし
食べたいものも
たまにはリクエストしてくれる。
静かなところでゆっくり過ごす時間のお陰で、
おだやかに、心の距離が縮まってきたように思う。
きっと誰にも見せたことがないような
控えめだけど純粋な笑顔。
小さな声だけど、
一生懸命に自分のことを伝えようとしてくれる
何気ない話。
そして、
短い言葉だけど
律儀に誠実に返ってくる、メールの返事。
そんな一つ一つを積み重ねていくうちに、
俺も、
自分の気持ちを自覚するようになっていた。
この人を…
雪乃さんを、
俺が幸せにしてあげたい。