第12章 1年後のガーデンパーティー
『雪乃さん、結婚式終わって、ホッとしてます?』
『はい。』
『俺、ちょっと困ってるんですよ。』
『どうしてですか?』
『もう雪乃さんと会う理由がなくなってしまうから。』
『…』
『雪乃さん、
これからも時々、俺と会ってくれませんか?』
『でも…結婚式も終わったし、もう話すことが…』
『今度は、雪乃さんのこと、教えてくださいよ。』
『私のこと?私のことは、もう、お話した通りです。』
『過去じゃなくて。
今の雪乃さんのことが知りたいんです。
どんなテレビが好きなのか、とか
今日はなにをしてたのか、とか
嬉しかったこととか
腹が立ったこととか、
楽しみにしてることとか
悲しかったこととか。』
『…そんなこと、知りたいですか?』
『知りたいです。』
『どうして?』
『どうしてでしょうね。
好きとか、そういうのかどうかわからないけど
俺、雪乃さんのこと、
このまま放っておけない気持ちなんです。』
『…』
『雪乃さんが俺のこと、
嫌いだったらしょうがないです。
でも、嫌いじゃないなら…
男友達の一人くらい、
いてもいいんじゃないですか?』
『私、縁下さんのこと…嫌いじゃないです。
っていうか、私、二人でいて緊張しない男性は、
縁下さんだけ、です。』
『じゃ、決定。俺たち、友達になりましょう。』