第12章 1年後のガーデンパーティー
初めて、
運転席と助手席に並んで
車を走らせる。
それの何が特別か、と
普通の人には驚かれそうだけど
本当に、
たったこれだけの距離を縮めるのに
何ヵ月かかったことだろう。
…今日1日一緒にいて
雪乃さんのことを
このまま放っておけないと思うように
なってしまっていた。
彼女の、スガさんへの気持ちは
世界中で俺しか知らない。
抱えたままの傷も、
まだあちこちで疼いているようだ。
そんな彼女を理解してあげられるのは
俺だけなんじゃないか、と思うこの気持ちが、
好き、とか
恋、とか、
そういうものかどうかは
まだわからないけど。
スガさんの結婚式が無事に終わった今、
このままだと、もう、
会う理由がなくなる。
多分、スマホを見れば
『なんで二次会来ねーんだよ!?』という
西谷や田中からの着信やラインが
100件くらいきてると思うけど(笑)
今はそれより、
雪乃さんと過ごす時間を選ぶと決めた。
…西谷、田中、ごめん。
でも、男って、そういう生き物じゃん?…