第12章 1年後のガーデンパーティー
何もかも済ませて会場を後にしたのは
夕方だった。
『雪乃さん、二次会は?』
『いいえ、帰ります。』
『じゃ、家まで送りますよ。』
『縁下さん、お酒…』
『飲んでないんです。
今日はスガさんのためにも
雪乃さんのためにも
酔っぱらうわけにはいかなかったから。
俺、エライでしょ。』
『でも、お友達が二次会で
待ってるんじゃないですか?』
『いつでも会えるヤツラですから。』
…それは、ウソだけどね。
『じゃ…
私も急に一人になるのはちょっと寂しいから…
送ってもらえると嬉しいです。』
『そのかわり、
俺から1つだけお願いがあるんです。』
『何ですか?』
『後ろの席には荷物がのってるので…
今日は助手席に乗ってもらえませんか?』
『…わかりました。』