第12章 1年後のガーデンパーティー
『スガさん、アキさん!』
声をかけると、二人が振り向いた。
見慣れた二人なのに、
今日の輝きは格別だ。
春の日差し。
新緑と桜の風景。
特別な衣装。
そしてやっぱり…
幸せな気持ちが
溢れているから、だろう。
…親友と、
好きになってはいけない人が
こんなにも美しく並ぶ姿。
雪乃さんには少し酷なくらいだな…
でも。
俺も心を鬼にして、
うしろに隠れるている雪乃さんを
二人の前に押し出した。
『ほら、雪乃さん。』
背中を、トン、と叩く。
『アキ、コーシ君…おめでとう。』
『あぁ、二人とも、
今日はホントにありがとう。』
『雪乃、頑張ってくれてありがとね!』
『あの…アキ、また遊んでくれる?』
『何言ってんの?当たり前じゃない!
私こそ、雪乃にしか相談できないこと
いっぱいあるんだから。
雪乃がいてくれないと困るよー。』
『うわ、気になるな、その女子トーク。
雪乃ちゃん、たまには俺も
仲間に入れてもらっていい?』
…スガさん、無意識とはいえ、
その優しさと爽やかさ、罪です…
雪乃さんは、
困ったような顔で、でもちゃんと微笑んで
コクンと頷いた。
…うん、
雪乃さん、
もう充分だよ…