第12章 1年後のガーデンパーティー
式が始まった。
深々とした緑色の芝生の上に
赤いヴァージンロードを作った
ガーデン人前式だ。
俺と雪乃さんは、立会人として
指輪の交換を手伝ったり
結婚証明書にサインをしたり、と
やることが多い。
式の間、雪乃さんはやっぱり
緊張でやることがわからなくなり、
何度か、泣きそうな顔でこっちを見た。
その度に、俺は目線や仕草で、
次にやることを教える。
そうして、無事に式は済み、
ここから先は、ガーデンパーティー。
会費制のパーティーだから、
みんな自由に飲んだり食べたり…
大地さんがスピーチをしたり、
アキさん手作りのウェディングケーキに
二人がナイフを入れたりしながら
賑やかで楽しい時間が続く。
会社の同僚や、
久しぶりに会うバレー部のヤツラと
わいわい過ごしながらも、
俺はやっぱり常に、
雪乃さんのことが気になっていた。
あぁ、もう。
ここ数ヵ月で、すっかり
雪乃さんの見守り役が
身に染み付いてしまってるよ(苦笑)
…アキさん以外、
親しい友達は少ないらしい。
最初は女性の輪の中にいたけど、
ふと気づくといつの間にかその輪を離れ、
今は、芝生のすみっこで
かけまわる子供達の相手をしている。