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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第3章 受け継ぎ婚



仕事もそこそこに新幹線に飛び乗り
広島まで駆けつけた。

黒い服の人ばかりが行き交う通夜会場の中で、
アキは、忙しそうだった。

かける言葉が見つからない。

寝てないんだろうな。
自分が疲れてることにも
気づいてないんじゃないだろうか。


『あ、大地!』

アキが駆け寄ってくる。

『来てくれて、ありがとう。
バタバタしてて、ごめんね。
ほら、私も喪主なんて初めてだからさ、
葬儀って、慌ただしいものなんだね。

そうだ、これ。
会社の方たちにお土産。
新年度なのにお休み下さったんでしょ。
ここのもみじまんじゅう、おいしいよ~。』

いつもと変わらない様子が
かえって切ない。

『アキ…』

家族でも親戚でもない俺。
ここでは、無力だ。

日頃、あんだけ
“必要とされたい“なんて思っているくせに、
いざという時に
何の役にもたてない自分に腹が立つ。


アキは、人前で涙を流すこともなく
立派に喪主を勤めあげ、

全ての後片付けを終えてから、
東京へ帰って来た。

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