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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第11章 ガーデンパーティー


『アキ、こっちおいでよ。
イルミネーションがキレイだよ。』

コーヒーの香りが動いて
カチャン、とカップを置く音。
そして、
パタンパタンというスリッパの音が
近づいてくる。

『ほら。』

アキの好きな、
後ろから抱き締めるポーズ。

寒さで曇った目の前の窓ガラスを
手で拭うと、
そこだけまるく曇りがとれ、
まるで額縁のようになる。

その中にうつる、俺とアキの姿。

『夏にさ、アキが言いかけて、
俺が止めた言葉、あったじゃん。』

『あったっけ?』

『あったんだよ。半年待って、って。』

『あぁ、それね。そういえば半年たつね。』

『俺さ、
アキのお陰で、今、すごく充実してる。
アキの仕事の一番の理解者でいたいし、
アキと家族を作りたいって
自信をもって言えるようになった。
だからさ…』

くもった窓ガラスに、人差し指で書く。



ケッコンしよ。



ガラス越しに、
アキの表情をそっと見る。
…今度こそ、
俺の想い、受け止めてくれるかな…


今、開いたばかりの花のように、
美しく笑顔をほころばせたアキ。

俺が書いたプロポーズの言葉の下に、
アキの右手の人差し指が
返事を書く。



うん。



…たった二文字に、
何万球ものイルミネーションが
光を添えて
祝福してくれているように見えた。




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