第11章 ガーデンパーティー
俺がバスルームから出てくると
アキはキッチンに立っていた。
『コーシ、飲んできたんでしょ?
お茶漬け、食べない?』
『気を遣わないでって言ったじゃん。』
『違う。私がお腹すいてるの。
朝炊いたご飯が残ってたから…』
『じゃ、俺も食べる。』
『ちょっとだけ、手伝ってくれる?』
『いいけど…
お茶漬け作るのに、手伝うことってあるっけ?』
アキは、おにぎりを作っていた。
鰹節とゴマを混ぜたおにぎり。
『お茶漬けじゃなくておにぎり?』
そのお握りに、
醤油とみりんを混ぜたものを塗り、
小麦粉をふりかけている。
ここまで、五分…かからないくらい。
あっという間だ。
『コーシ、焦げないように見てて。』
フライパンの中のおにぎりを見守るのが
俺の役目らしい。
その間に、もう1つの鍋でお湯を沸かし、
粉末の鶏ガラスープと少しの調味料で
おいしそうなスープができた。
丼に焼おにぎりを入れてスープをかけ、
刻んだ大葉をこんもりとのせると
なんとも美味しそうなお茶漬けになる。
『んーっ!
あんなにあっという間に作ったとは
思えないくらいおいしいっ!』
『そう?よかった。
私、夜中に時々ムショーに
これが食べたくなるのよねー。』
二人とも、しばらく黙って
熱々の焼おにぎり茶漬けを食べる。
…飲んで帰って、こんなの作ってくれたら
もう、男心、一発玉砕だよ…