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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第11章 ガーデンパーティー




本当はもっと話していたかったけど、
今日はまだアキは仕事が終わらない、
というので、先に帰ることにした。

『何時くらいまでやるの?』

『わからない。終わるまで、かな。』

『頑張りすぎないようにな。』

『今の一言で、頑張れちゃう!』

『逆にやる気に火をつけちゃった?
俺、つくづく役に立ってねーな(笑)』

…ビルの下から15階を見上げる。

灯りがついた窓。
あの場所を一人で背負うことに、
どれだけの覚悟がいるんだろう。
サラリーマンの俺には想像がつかない。

家に帰ってからも、ずっと考えてた。
及川たちの言葉。
アキの話。

俺、新聞記者になって
やりたかったことって何だっけ?

そもそも、
そんな志を持って選んだ仕事だったか?

地元で、大手で、文系で…
それ以外の志望理由を思い出せない。

政治にそれほど興味があるか?
文化部の仕事にケチをつけられるほど
知っているか?

…何一つ、自分に答えられない。

及川たちやアキに比べたら、
俺は本当に、
"給料をもらう手段"以外の理由を
仕事に対して持っていないことに
改めて気づかされる。

…なんだよ、カッコばっかつけて。
伝えたいことがなければ、
政治部も文化部もあったもんじゃない。

そもそも、
新聞記者でいる意味もないだろ…


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