第11章 ガーデンパーティー
食べ終わった食器を
シンクまで運ぶのを手伝いながら
彼女に言った。
『俺、食事が心にも繋がってるって、
初めて実感しました。
早瀬さんの料理の力、スゴい。』
『私こそ、
誰かと食べるって幸せだなって
改めて実感しました。
ゆうべから、
自分のために料理しようって気持ちに
全然なれなくて…
菅原さんが来てくださって、
私も生き返れました。』
なんだろう。
そばにいるのが当たり前のような
穏やかな気分だ。
食器をシンクに置き、
小さな声で言ってみる。
『最初から、
早瀬さんのような人とつきあえばよかったな…』
『…私も、菅原さんみたいな人が
彼だったらよかったのに、って思います…』
俺達は、もう大人だ。
お互いのその気持ちを知れば、
次にいくのに野暮な言葉はいらない。