第3章 受け継ぎ婚
大学生活の後半は
就職活動サバイバル。
二人とも希望の業界に就職できたけど、
俺の最初の配属地となったのは、
大阪だった。
『あー、3年半も毎日一緒にいたのに、
今さら、遠距離恋愛ってさぁ…。』
『大地、凹みすぎ!普通、そういう時って、
女性の方が落ち込むんじゃないの?
いいじゃん、ほら、ドリカムの曲の
♪大阪ラバー♪みたいで。』
『アキ、♪一緒に住まへんか~♪』
『大地、音痴で笑わせないでよ(笑)
てか、私だって念願の旅行業界で働くの
すっごく楽しみにしてるんだもん。
悪いけど今は、
誘われたってついてかないよ~、だ。』
…どっちが男なんだか(苦笑)
いつも自由で強くて迷わないアキ。
俺に決めてほしい、なんて言ったことない。
アキを見失わないように、
置いていかれないように…と
必死なのは、俺の方だ。
追いかける恋なんて初めてで
どうしていいかわからないけど、
とにかく俺は、
アキに必要とされる男になりたい。