第3章 受け継ぎ婚
彼女…アキとは、大学時代に東京で知り合った。
同じ学年で、バレー部のマネージャー。
明るくて、しっかりしてて、頼れる。
マネージャーのお手本みたいなタイプ。
それまで俺がつきあってきたのは、
いつもむこうから告白してきて、
そんで『守ってやらなきゃ』と
思うようなタイプの子ばかりだった。
でも、アキには、
『守る』なんて言葉は似合わない。
…俺がいなくても、
きっと彼女は充分、生きていける。
むしろその凛々しさに惹かれて、
初めて自分から告白した。
そう、俺の方が彼女に夢中だった。
つきあいはじめてからも
アキは変わらず凛々しく、かっこいい。
俺の大切な、自慢の彼女。
俺がいなくても大丈夫そうだからこそ、
『彼氏彼女』という程度の間柄では
誰かにアキを取られてしまいそうで、
早く『家族』になりたいと思った。
…自分でも驚くくらい、人生の基準は、アキ。