第11章 ガーデンパーティー
『?!』
気がつくと、
テーブルにつっぷして寝ていた。
背中にコートがかけてある。
…これは、やらかしたな、俺…
見渡すと、
彼女が静かに鍋に向かっていた。
『す、すみません、あの、本当に…』
こっちを向いた彼女が、微笑む。
『お目覚めですか。』
『…打合せしながら寝るなんて、
もう、何てお詫びしてよいのか…』
『いえ、かまわないんです。
今日はご挨拶がてらの打ち合わせでしたし、
菅原さん、とってもお疲れみたいだったから、
ゆっくり出来たなら、よかった。』
…返す言葉が見当たらない…
『あの、菅原さん、お時間あれば、
このまま夕飯、食べていかれませんか?』
夕飯?
驚いて窓を見ると、
すっかり日が暮れている。
取材先で日暮れまで熟睡、って…
俺の新聞記者人生、終わったな。
『いえ、もちろん、予定がおありなら、
無理にお引き留めはしませんけど…』
…急ぎの用事なんが、ない。
誰も俺のこと、待ってないし、
仕事も、やる気ゼロだ。
ついでに、それほど、食欲もないけどな。
…もう、ヤケクソの気分で答える。
『いや、予定なんかゼンッゼンないので。
遠慮なくいただきます。』