第11章 ガーデンパーティー
『宮城毎朝新聞社の菅原です。』
『料理アドバイザーの早瀬です。』
想像していたより、ずっと若い女性だった。
この若さでこの場所に自分の店
…というか仕事場を持つって、
なかなかのやり手なんだろうか?
それに比べて俺ときたら。
前任の記者が家庭の事情で
急に休むことになり、
そのかわりに俺が異動になった。
やりがいのあった政治部から、
全く興味のもてない生活文化部へ。
煎れてもらった熱いお茶を飲みながらも
気持ちはすっかり上の空。
"早く帰って寝たい…"としか思わない。
『あの…急に引き継いだので、
まだ“正月料理の特集企画”くらいしか
話も聞いてなくてですね…』
『そうですか。
私もラフで考えてみましたので、
菅原さんのご意見も聞かせていただきながら
少しづつ進めていきましょうか。』
…なんて落ち着いた声の人だろう。
睡眠不足の俺には心地よすぎて…