第10章 公開プロポーズ
赤葦君の言葉には、
まるで家族のような優しさが溢れていた。
やっぱり光太郎は、
愛し上手で愛され上手な人なんだね。
私も、
光太郎を愛したいし
光太郎に愛されたい。
だから、自信をもって
光太郎のことを好きになるよ。
そのためにも、
ウザがられたら…なんて遠慮してないで
ちゃんと聞きたいことは聞こう。
光太郎の、懐の深さを信じて。
『大丈夫です。
木兎さん、アキさんのこと、
ホントに大事に思ってますよ。
じゃなかったら、
誕生日に一人にしないようにって
代わりに俺を置いてったりしませんから(笑)
意味不明だし訳わかんないでしょうけど、
これも木兎さんなりの優しさってことで。』
赤葦君、ありがとう。
『よし、赤葦君、シャンパン頼んじゃおう。
光太郎の奢りだから、遠慮しないで!』
…光太郎はいなかったけど、
私にとっては有意義な誕生日だった。