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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第10章 公開プロポーズ




一人抜くたびに、
ランナーとしての感覚が戻ってくる。

1つでも、前へ。
1秒でも、早く。

残り3キロ地点。
光太郎のあの言葉が思い浮かんだ。

『しんどくなったら、
走り終わって最初に欲しいもの、考えろよ。』

…光太郎はビールの大ジョッキって言ってた。
私、何が欲しいだろ?

お寿司?パンケーキ?パフェ?
…食べ物は、ちょっと違うなぁ。
光太郎とビールで乾杯?

あ!
光太郎。

私が走りきることを信じて疑わない光太郎は、
きっとゴールのそばで私を待っててくれてる。

ゴールしたら、
光太郎の、あの
オーバーリアクションで喜ぶ姿が見たい!

光太郎。
光太郎。
光太郎。
光太郎。

一歩づつ光太郎に近づいてることが
嬉しくて、楽しくて。

こんな軽やかな気持ちで
ゴールに向かったことは
今まで一度もなかった気がする。

『順位』ではなく、
『私』を待っててくれる人がいる。
それが、こんなに力になるって初めて知ったよ。

これって、恋の力なのかな?

…なんて
柄にもなく乙女みたいなことを思ったとき、


ふとよぎる。


光太郎のあのエネルギーの源は、
本当に、ビールの大ジョッキなのだろうか?

ビール飲みたさだけで、
あんなに毎日、
なんでも前向きでエネルギッシュに
なれるものなのかな?




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