第8章 小さな小さな披露宴
最初、
花巻に脱がされそうになって
一瞬、マジで焦ってしまったが、
それは決して危ない行為ではなく(笑)
30分後、
俺は紋付き袴、
アキさんは引き振り袖(というらしい)
という姿になっていた。
花『マツ、いきなりで悪いけど、
俺たちからの結婚祝いだ。』
及『キレイな奥さんなんだからさ、
記念写真の1枚くらい、
ちゃーんと残しておきなよ。』
岩『美容師とカメラマンが友達にいて
よかったな。』
横を見ると、
アキさんが目を潤ませていた。
前の結婚の時は
駆け落ち同然だったから
結婚式はしておらず、
2度目の結婚だけど
初めての花嫁衣装だそうだ。
…事情とか、そういうことは別にしても
本当は俺が
気付いてやらなくちゃいけなかったな。
アイツらにしちゃ、
気のきいたことしてくれるじゃねーか。