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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第8章 小さな小さな披露宴


目の前のアキさんは
見えない状況で少し不安げな仕草だ。

俺は…
すぐに手を出したい気持ちを押さえて
考えていた。

これは、普通のセックスとは違う。
欲望や快感に任せちゃいけない。

…リハビリの時の一成さんのことを
思い出してみる。

あの彼が、
久しぶりに奥さんを抱くとしたら
どんな風にするだろうか。

情熱的に激しく?
それとも優しくゆっくり?
言葉は多いだろうか、少ないだろうか。
まずどんなことを言って、
何から始めるだろうか。

アキさんにとって違和感のない
"一成さん"になってあげたい、
と思う。


…作業療法士という仕事は、
身体の機能回復だけでなく
精神面のサポートもする。
まさかこんなサポートまで
することになるとは思わなかったけどな…

もう一度、考える。

年齢差のあった二人。
アキさんのことを心配していた一成さん。

だからきっと一成さんは、
久々に触れるアキさんの身体を
確かめるように、
ゆっくり優しく触りたいだろう。

俺はアキさんを引き寄せ、
両腕で包み込んだ。

…触れたら、思いがほとばしる。
アキさんの大きな呼吸が落ち着くのを待って
感触を確かめるように
指で唇をそっと撫でる。


どんな言葉よりも、
まずはこの唇を確かめたいはず。
そっとキスすると、
アキさんもそれに応えるように
唇をあわせてきた。

はじめは、小さく何度も何度も。
そのうち、吸いあうように。
そして、舌を絡めあいながら。

お互いを求めあう気持ちが
唇から伝わってくる。

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