第27章 ウェディングプランナー
『それでは、誓いのウェディングキスです。』
"ウェーイ、キスキス~!"
"ブッチュー、いけぇっ"
"エロ尾の本領発揮っ!"
"R18なヤツをひとつ、頼むぞ~!"
…なに!?この盛り上がり…
高校生じゃあるまいし、
ウェディングキスでそんなに興奮されても(焦)
てか、この騒ぎのなか、する?!
…しづらいよね?やめとく?
そんな気持ちで
思わず黒尾さんと見つめあってしまう。
そこへ、助け船。
『いろいろリクエストはあるようですが
子供もたくさんいますので(笑)
ここはひとつ、愛し合うキスではなく
誓いのキス、の範囲でお願いします。』
さすが武田様。
…でも"愛し合うキス"ってのも
なかなか濃厚な表現だと思うけどね。
もしかして武田様、ムッツリ?!
いやいや、そんなことはさておき💦
『じゃ、ちょっとだけ、な。』
黒尾さんの唇が、おでこに触れる。
"ふざけんな~"
"そんなの、キスじゃねーぞー!"
"そうだそうだ、ぶつかっただけだろ?"
"その程度の誓いなのかー?!"
"愛が足りない!"
"出し惜しみするなーっ!"
"主将、お手本、頼みますっ!"
"子供達に性教育してやれ!"
"ヘタクソ~!"
あの…なぜ今、今日一番の盛り上がり?!
『…うっせーな、欲求不満のヤローども(笑)
わかったよ、お手本、見せてやる。
子供達、目ぇつぶっとけ!
ヘタクソって言ったヤツ、しっかり見とけよ!』
えぇっ?!黒尾さんも、
今、やる気出すかなっ?!
小声で黒尾さんが囁く。
『アキ、ひっこみつかねーから、
ちっとだけ、つきあえ。』
私の両肩を抱き寄せて、
決して濃厚ではないけど(笑)
でも、時間にしたら8秒はあった…
唇を離した黒尾さんは、
ゲスト席に向かって
『見せられんのはここまで!
こっから先は、大人の楽しみだ、青少年!』
と、いたずらっ子のように言い放ち、
ドッと笑いを誘う。
『誓いとエロのギリギリ境目のキスでしたね。』
…武田様…今、エロって言った?(苦笑)
みんな、ネジがとんでる?!
なんだかんだと言いながら
これで人前式は結びのはず。
『さぁ、それでは皆さん、
このままチャペルの外に集合です。』
『…武田様、まだ、何か?』
『おや、早瀬さん、たくさんあるアレで、
アレ、やりましょうよ。』
…アレ?
