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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



『続いて、結婚指輪の交換です。』

…それはさすがに、

『あの、指輪はないので…』

黒尾さんが、ニッコリ言う。

『あるよ。』



『アキが一個だけ身に付けるアクセサリーだから
絶対この日に贈るって、ずっと考えてた。
…"贈り物は、相手を思う時間"だろ?』



『サイズは夏希の見立て。』

『ドレスの試着しながら
私の指と比べてチェックしてたんだ~。
多分、大丈夫だよ!』

…もう、本当に…

武田様の声がする。

『本当は、烏養君の時みたいに
みんなでリングリレーしたいんですが、
さすがにこの人数では無理なので、
スタートを烏養夫妻にお願いして、
そこからは…はい、みんな、並んで!』

ヴァージンロードに出てきたのは、
子供達。
烏養様ご夫婦が、
黒尾さんと私に
一本づつ赤いリボンの端を持たせ、
そのまままっすぐ、ヴァージンロードに
リボンが伸びて…

そこに並ぶ子供達、
一番大きいのは、武田様のお子さん。
一番小さいまだ3ヶ月のまぁちゃんは
夏希ちゃんに抱っこされて参加。
様々な年齢の子供達が、総勢…30人以上。

『秋に生まれるお二人の子供さんも
いずれこうして大きくなっていきます。』

ざわついていたチャペルが、
武田様の声に聴き入るように静かになる。

『親の想いを引き継ぐ子供達からお二人へ、
お腹のお子さんへの祝福の想いを
リレーしてもらいましょう。

子供達、指輪がきたら、
"元気で、お幸せに!"って言いながら
お隣の人に渡すんですよ、いいですか?』

"はーい!"

元気なかわいい声が響いた時、
…あ、私のお腹の中も、返事するように
グルッと動いた気がする…

『それでは、烏養君と奥さまから、
リングリレーのスタートです。』

多くの人に触れてもらうことで
たくさんの祝福を指輪に込める
リングリレー。
それぞれにおしゃれをして来てくれた
かわいい子供達の声と手で
赤いリボンを通しながら
指輪が少しづつ、
私たちに近づいてきて…

ふと黒尾さんが動いた気配。
しゃがんで、子供達に目線を近付け、
『いいぞいいぞ~!
ほら、頑張れ、あとちょっと』
…って声をかけてる。

今まで見たことない"お父さん"の顔。
まだ、知らないことがたくさん、あるね。

"夫"の顔、"父"の顔。
楽しみで、ワクワクするな…


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