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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



『なぁ、黒尾、結婚すんの、初めて?』

…一同がズッコケる。
黒尾さんも、瞬時に突っ込み。

『初めてだよっ、ばぁか!』

『あ、そぅ。』

気にも留めない木兎さん。

『じゃ、俺が先輩面してもいいわけだ。
…な、黒尾、今さ、早瀬ちゃん、
超キラキラしてるじゃん?
でも、結婚したらさぁ、
そうじゃない日の方が多くなる。
そのうち、子供産まれたら、ますます。

そりゃそうだよな。
女は命かけて子供産んで、
自分の持てる全ての時間で
家族の世話をしてくれるんだから。

今日みたいにキラキラする日は、
もう、来ねぇかもしんね。
そんでも、
素っぴんでも、髪振り乱してても、
中身は、
今日、輝いてる早瀬ちゃんと
なーんも変わんねーから。

泣いても笑ってもケンカしても、
それを出来る相手がいる、ってことが
一番、大事。
だって一人じゃねぇ、ってことじゃん。

今日みたいな分かりやすい幸せじゃなくても、
"同じ時間を隣で生きてる"
…ってだけで、奇跡だ。

こんだけたくさんの
家族の始まりを見守ってきてくれた
早瀬ちゃんを、黒尾に任せるから。

今度はお前が、命の限りそばにいて、
早瀬ちゃんの家族でいることを、
みんなの前で、誓ってくれ。』

…木兎さん。

お兄さんのこと。
双子ちゃんが産まれたこと。
赤葦様の複雑なご実家のこと。
赤葦様と小春さんのこと。

家族が一緒に暮らす、という
シンプルなことが、
どれだけ幸せなことなのかを
誰より知っている人だから、

言葉に1つも飾りがなくて
胸に直接、届く。

『…なんだよ、
木兎のくせにいいこと、言いやがって。』

黒尾さんが言うと、

『な、黒尾、誓う?誓えよ?誓うよな?誓え!』

と、いつもの調子の木兎さん。
黒尾さんは木兎さんに向かって

『あぁ、誓う。』

と言うと、今度は私の方を向いて

『俺もアキも
いつも一緒にいるタイプじゃねぇけどさ、
"一人一人"は
"一人ぼっち"じゃねぇから。

自分のやりたいこと、遠慮すんなよ。
俺を、信じてろ。』


…うん。


あの小樽の夜のこと、忘れない。

信じられる人に出会えたことが
私の生きる価値だと思ったあの日のこと。

一人一人、と
一人ぼっち、は違う。

なんて心強い言葉!


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