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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



差し出されるブーケを受けとる。

『早瀬さん、お返事を。』

ブーケから1輪、花を抜き取り、
黒尾さんの胸へ。

『私、黒尾さんに出逢えなかったら、
一生、一人でいるつもりでした。
私と出逢って、愛してくれて
ありがとうございます。
ずっと…そばにいさせてください。』

男性ゲストからは
"ヒューヒュー" "よっ!"と掛け声が。
そして、女性ゲストの中には
私と一緒に涙ぐんでくれてる方も。

…わかる。
みんな、自分の結婚式の日のこと、
思い出してくれてる。
"世界一、幸せ!"と思った、この瞬間のことを。

『それでは続いて、誓いの言葉です。
誓いの言葉は…』

ん。
誓いの言葉、といえば…

『はいはいはい、俺の出番ね!』

…やっぱり(笑)

『え~、木兎?なんで?』

笑いながら文句を言う黒尾さん。

『ここは俺だよね、早瀬ちゃん?』

『はい、他に考えられません!』

『だろ?黒尾、任せろ!』

『木兎~、しっかりやれよ!』

『木兎さん、真面目にお願いします。』

木葉様と赤葦様の声援の言葉が
的確すぎて笑えます。
涙もひっこむ展開、間違いなし(笑)

木兎さんの"誓いの言葉の実力"?!を
知らない人の方が多いんだけど、
なんとなくみんな、
何か普通ではなさそうな予感は
薄々、しているようで、

静かなのに、ワクワクした空気感。
さすが、スター。
会場を惹き付ける何かがある人。
場の空気を作るとこから天才的…。

私たちを向かい合わせて立たせ、
その向こう側の真ん中から
お客様に向かって立つ木兎さん。

思い出す。
赤葦様の結婚式の、
涙と笑いの誓いの言葉。

木葉様の結婚式の、
感動的な誓いの言葉。

…でも。
木兎さんにとって、
家族みたいな二組だからこその
あの、心のこもった"誓いの言葉"だったはず。

私達のここまでの成り行きを知らない木兎さん。
今、黒尾さんと私に、
いったい、どんな言葉をかけてくれるんだろ?

…そんな私の心配など吹き飛ばすように
ニカッと笑った木兎さんの口から

言葉が、こぼれはじめた。

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