第8章 小さな小さな披露宴
岩『へー、想像してたより
ずっと雰囲気良さそう店だな。』
花『マツ、こんなよさげなところ、
四人で貸し切りにしちゃっていいのかよ?』
松『あぁ。
今日はホントは定休日だから他の客は来ねーし。』
及『なんか、あれみたいじゃない?
ドラマの"相棒"に出てくる小料理屋。
うーん、どんな女将かな?
及川さん、期待しちゃうよ~ん。』
カラカラ、と引き戸を開ける。
『いらっしゃいませ。お待ちしてました。』
及『ひゃ~、想像以上の美人女将!
まっつん、俺、飯より女将をいただきたい!
…痛っ!ひどいよ、岩ちゃん!
久々なのにいきなり殴んないでっ!』
岩『お前こそ、久々なのに殴らせるな。
ええと、まずは生4つ。』
実は四人が揃うのは高校の卒業式以来。
成人式も、
及川君は遠征で参加出来なかったのです。
会うのは久しぶりでも、
そこは3年間で培った友情。
ポンポンと息のあった会話が弾みます。
花『んじゃ、乾杯しよーぜ。』
松『誰が音頭とる?』
及『はーい、それはキャプテンに任せて~。
んじゃ、及川さんのますますの活躍と、
美人女将との出会いに、カンパ~…
岩ちゃん、痛いっ!ビールこぼれるっ!』
岩『ボケ川、調子のりすぎ!
もういい、俺がやる。
俺達の再会と花巻の結婚に、乾杯!』