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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



部屋には、
花巻さんと奥さん、衣装部のスタッフ、
それと夏希ちゃんが来てくれてた。

『じゃ、準備できたら、呼んで。
クロはもう少しで到着だって。
俺が対応するから、心配いらねーよ。
…皆さん、早瀬をよろしくお願いします。』

そう言って、夜久君は部屋を出て行った。

『早瀬ちゃん、おめでとう。
今日は俺達が担当するからね。
今までの"ありがとう"と、
"これからずーっと、お幸せに"の思いを込めて
お支度させてもらうよ。』

いつも見ている挨拶も、
いざこうして自分に向けられると、
もう、胸がいっぱいになってしまう。

『こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!』

私も、心を込めて挨拶した。

支度中、夏希ちゃんがずっとそばにいて
いろいろと気を遣ってくれる。

『ね、早瀬ちゃん、聞いてもいい?
なんで付き合ってること、内緒にしてたの?』

『あ、それ、ごめんね。
黒尾さんは、早く言おうって言ってたんだよ。
でも私が、言わないで、って。』

『…もりすけに冷やかされるから?』

『それもあるけど(笑)』

今なら、本当のことを言える。

『もしかしたら
すぐダメになるかもって思ってて。
もし言った後に別れたら
夏希ちゃん達に気を遣わせるから。』

『えー?!
付き合う時から、別れた後のこと、考えてたの?』

『うん。だって…』

『モテ男だから、でしょ(笑)』

『そうそう!
女性なんか、よりどりみどりだろーな、って。』

『及川もだけどさぁ、』

花巻さんが、手を動かしながら話に参加してきた。

『モテ男に見えるヤツって
案外、しょっちゅうフラれてたりするよな。
その分、付き合う数も多いから
モテてたりチャラそうに見えるかもしんねぇけど…

本人達は、実はすごく愛情の質に敏感、というか。

多分、わかるんだよ。
相手のイメージ通りの自分でいるべきなのか、
ホントの自分を見せて心から安らいでいいのか。』

…及川さんのプロポーズを思い出す。
突然だったのに、迷いのない言葉。

あれはきっと、思い付きじゃない。
いつも、彼女のことをそうやって
大切な人だと思っていたからこそ、

急なのに
あんなにステキなプロポーズが出来たんだ。

どんなにモテる人も、みんな、探してる。

最後に選ぶ、たった一人を。

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