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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



ドアを開けたときの驚きといったら、
多分、俺史上、
今世紀最大だったと思う。

仕事から帰って
風呂からあがった直後。
玄関のチャイムがなって
ドアを開けたときのことだ。


アキが、立ってた。


『…どした?
あれ、もしかして電話した?
ごめん、今、風呂、入ってて…』

『いえ、ごめんなさい。
思い立って、来てしまいました。』

思い立って、来るか?
ここ、九州だぞ?!

『と、とにかく、上がれよ。』

おじゃましまーす、と
上がってくる姿を観察する。

表情は…いつもとかわらず。
服装は…とてつもなく普段着。
荷物は…ちょっとだけ大きめのトートと、
いつもアキが使ってるバッグ。

つまり、見た目からは何もわからない。

『…なんか、飲む?』

『あ、お水を…』

水を注ぎながら、話しかける。

『来るなら電話しろよ~。
飲み会とか残業だったらどーすんだよ?』

…言いながら、思う。
そんなことがわからない女じゃない。
多分、突然来たのにも訳がある。

水の入ったグラスを渡し、
向かいに座った。

『…で?どーした?』

ニッコリと笑って。
前置きもなく。

『黒尾さん、私と結婚して下さい。』

は?
え?
あ?
なんだって?

いろいろ頭のなかに思い浮かぶけど
言葉にはならず。

『…ダメ、じゃないですよね?』

何かが、動いたんだな。
少なくとも俺は、まだ、九州勤務。
ということは、残る選択肢は、2つ。

『…どっち?』

『どっちも、です。』

…どっち、も?

『私、バンケットに異動になりました。
…それと、今朝、病院、行って来たら
3ヶ月、だそうです。
だから、会社、辞めます。
こっちで一緒に生活させて下さい。』

あまりにも突然で…

『…ごめん、ちょっと、もう一回、
ゆっくり言ってくんねーかな?』

『はい。
私、4月から異動が決まりました。
プランナーには関係ない部署に。
それと、子供ができました。
今朝、病院、行ってきたら
今、3ヶ月で、予定は10月だそうです。

このうえないタイミングなので
私、仕事、辞めます。
で、九州で黒尾さんと暮らしたいんです。

そんなわけで、
私と結婚して下さい。

…これで…伝わりましたかね?』

うん、さすがに伝わった。

で、最初に浮かんだ言葉。

『…アキ、スゲーな!!』

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