第27章 ウェディングプランナー
のんびりと歩いていて
頭に思い浮かんできたのは、
今まで出会ってきた
たくさんの新郎新婦たち。
みんな
こんな日を迎えてきたんだね。
"恋人同士"から、"家族"へ。
二人の目線が
"お互い"から、
"同じ未来"を見つめ始める日を。
…だいたい、
プロポーズは男の人からすることが
多いみたいだけど(笑)
私は、私なりに。
そんな私を
受け入れてくれる人だからこそ
黒尾さんが、好き。
…早く、会いたい。
立ち止まり、
目をつむり、
深呼吸。
目を開けたとき、
最初に見えたのは
大きな、まぁるい月だった。
あ…
今日はきっと、チャペルから見える海に
"月の道"がかかってる。
私のホームグラウンドが
応援してくれてるみたいで
なんだか、嬉しい。
『さ、行こ。』
小さく声に出して、
新たな気持ちで、歩き始めた。
行き先は、1つ。