第27章 ウェディングプランナー
少し前までの俺は、
何もかもが
暗闇の中のようで
転ばないように
足もとばかりを見てた。
でも。
同じところにいても、
顔をあげて、上を向いて
少し遠くに目を向けられれば。
人生は、
どこに視点を置くかで
景色が全く違ってくる。
まぶしくて派手な街の星屑より
小さくても、誰も見てなくても
ちゃんと空で光ってる、本物の星の光を。
アキは、俺の、光。
強い光じゃなくていい。
まぶしい光じゃなくていい。
小さくても、俺には、わかるから。
見失わないように、
ずっと、見てる。
消えてしまわないように
ずっと、守る。
光の数を増やしていけるように、
アキの笑顔を、
家族の笑顔を増やすから。
それが、
今、思う限りの
俺の、生きる目的だと思う。