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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



小樽の旅行のあと…
秋に入った頃から、
黒尾さんは、月に一回か二回、
週末に上京してくれるようになった。

秋は、結婚式のトップシーズン。
せっかく来てもらっても
私は週末は休みではないから
長く一緒に過ごせるわけではない。

それでも、
うちでご飯を作って待っててくれたり、
食事の時のお酒の相手をしてくれたり、
その日の仕事の話を聞いてくれたり、

…抱き合って眠ったり…

なかなか会えないからこそ、
少ししか会えないからこそ、の
充実した時間を過ごせている。


年末年始は
せっかく黒尾さんが東京に帰省したのに
今度は私が実家に戻ったから
やっぱり結局、東京と九州に離れてた。
それでも私が例年より早く東京に戻り、
2日間だけ、一緒に過ごせた。
会って、まず、初詣へ。

『何、お願いしました?』

『え?決まってるじゃん。子宝。
目が大きくて、鼻が高くて、
元気で優しくて素直で、
ちょっとセクシーなうえに
いい匂いがして足が細くて、
パパにゾッコンなかわいい女の子が
うちの娘になりますように、って。』

『…具体的すぎます(笑)てか、
100円のお賽銭で、欲張りすぎでしょ?
そもそもそんな女の子、娘じゃなくて
キャバクラ行って下さい!』

『すんません…(笑)
そういうアキは?』

『え?…後悔しない人生を
過ごせますように…って。』

『それはまた、大雑把すぎるだろ!
100円でそんな壮大な願い事されたら
神様も困るって。』

『うぅ、そーかなぁ…
ね、黒尾さん、
もっかい、お詣り行きましょうか?
もうちょっと、
シンプルでわかりやすくて
叶いやすいお願いに変更します?』

『…だな。』

この際、持ってる小銭を全部入れて
もう一回、手を合わせる。

『神様、今年も』
『アキが、』『黒尾さんが、』
『『元気でいられますように!』』

どんな願いも、
それが基本だから、ね。

あとは、
神頼みじゃなくて、
自分達で頑張ろう。

そして、
やってきた運命は全部、
今、必要なハードルだと信じて
二人で越えていこう。

一人じゃないから、

きっと、大丈夫。




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