第27章 ウェディングプランナー
1度、アキに聞いたことがある。
『当分このままだったら、どーする?』
このまま。
…アキはずっと
ウェディングプランナーでいられて、
…俺もずっと九州勤務のままで、
…子供も授からなかったら。
アキは、カラッと言った。
『心配してもどうにもならないことは
心配しないことに決めてます。
…一生、何もかもこのままってことは
絶対にないし。
いつか必ず、何かが動きますもん。』
『予想外のことが最初に起きても?』
ケラケラ笑って。
『…予想外のことだったとしたら
ますます、今、考えようがないでしょ?』
あんまり潔いから
ちょっと意地悪を言ってしまう。
『例えば、俺がよそ見したら?』
『よそ見、って、浮気ですか?』
『例えば、だよ?しないけど。』
『それが、
"予想外"か"想定内"かはさておき(笑)』
『え?!げっ?!どーゆーこと?』
フフン、と鼻で笑われた💦
…俺、すっかり掌の中で遊ばれてんな…
『…私より黒尾さんのことを好きな人なんて
きっといないと思うんですよね。
…でも、もしいたら、話し合います。
どっちが黒尾さんを取るか。』
『あれ?俺に決定権は…』
『残念ながら、ないです。
どっちが黒尾さんを幸せに出来るか
女同士、ガチで話し合います!
黒尾さんはその日から、
決まった方に強制移籍、です。』
『ひょえーっ!怖っ(笑)』
『だったらよそ見なんかしないで
私に愛されてて下さい(笑)』
『はいはーい…』
…どんなことを言っても、
アキの信念は揺るがない。
何が起こるかわからない未来を
一緒に楽しみに出来る相手に
こんだけ愛されてることを、
幸せと呼ばずに、何と呼ぶ?