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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



…今まで何度か見てきた、
アキの、この表情。

アキがこの表情をするとき、
俺はいつも、救われてきた。

そして今、アキから
突然のプロポーズ。

変だよな。
転勤の時に"結婚しねぇか?"って
プロポーズして断られたはずなのに

今、逆にプロポーズされたのが

すごく、嬉しくて。
すごく、すごく、嬉しくて。

男から、とか
女から、とか
そんなんじゃなく

自分の気持ちを
ちゃんと伝えあえることが嬉しくて。

『…黒尾さん、怒った?』

『怒るわけねぇだろ。
ちょっと悔しいけど。』

『悔しい、ですか?』

『だって
この間俺がしたプロポーズより
よっぽど男前で
カッコいいじゃねーか(笑)』

アキが覚悟を決めたみたいに、
俺も、アキの決意を
受け止められるようになるから。

…信じてくれる人がいると、
こんなに強くなれる。

離れてみなければ、
この選択肢はなかった。
距離にも時間にも、
ちゃんと意味があったんだ。

アキの決めた選択肢の
どれが最初に訪れたとしても

一緒に生きていく未来。

何があろうと、
一番に守るべきは、家族。それだけ。

シンプルな、覚悟。
目的がこんなにハッキリすれば
生きていくことそのものが
楽に思えるほど。

…また、アキに救われた…

『アキ、よく、決めたなぁ。』

『黒尾さんと出会わなかったら、
私、ずっと過去の失恋を言い訳にして
逃げてたと思います。』

逃げてた?

『私にとって、諦めるのが、一番簡単。
"私は愛されないんだ"って勝手に決めて。

信じることが、一番、難しい。
"今はいいこと言ってても、
いつか終わる時が来るに違いない"
…って思って人を見てしまう。

だけど、黒尾さんと出逢ってから…』

アキは、
すごく優しい顔をして。

『この人を信じられないなら、
私は生きてる価値はない、って
思ったんです。
そのくらい、黒尾さんの優しさに
私、救われました。』

"信じられる出逢いが、生きてる価値"

俺もそう思うよ。

何度も、アキの強さに救われた。


出逢いたいから
逢えたんだ、な。


『…アキ、来いよ。』

もうひとつ、
出逢いたい命がある。

早く、おいで。
俺達が出逢った証の、命。

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