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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



アキが、バスルームから出てきた。
見たことない、大きなストライプ柄の
柔らかい生地のバスローブを着てる。
…ホテルにおいてあるものより
部屋着の要素が高め、というか。

『かわいいじゃん。』

『…ウニクロの、長く着てるのしか
持ってなかったから…買いました。』

『今日のために?』

うん、と、はにかむ。

あぁ、楽しみにしててくれたんだな、
それが伝わってきて。
俺と過ごす時間のために
あれこれ考えて準備してくれてた。
その気持ちが、何より嬉しくて。

『脱がすの、もったいないな。
…でも、脱がすけど(笑)』

来いよ、という思いで
ベッドの半分をあける。

ソロリ、とベッドに上がったアキは、
俺の腕の中に入る前に、
俺の手を握って、言った。

『黒尾さん、お願いがあるんです。』

『なに?』

…うつむいて、少し考えて、
決意を固めたように、顔をあげる。

『…なんだよ?』

『順番に、話しますね。』

言いたいことが、あるらしい。

それは、
今、このタイミングでないと
いけないことのようで、

今日、それを言おうと、
ずっと一人で考えてきたようで。

…それが伝わってきたから、
熱のこもった俺自身の身体を
落ち着かせるつもりで、言葉を挟む。

『ちょっと待て。水、飲もう。』

ミネラルウォーターをあけて
グラスに注ぎ、彼女へ渡す。
俺は、ペットボトルのまま。

二人ともそれぞれ、ゴクン、と
冷えた水を飲み込む。

『時間、いっぱいあるから。
ゆっくりでいいよ、聞かせて。』

…アキが、考えてきたことを
きちんと話せるように。
なかなか会えないから。

夜は
セックスのためだけにあるわけじゃない。

話そう、ちゃんと。

『…黒尾さん、
夏希ちゃんが妊娠したの、知ってましたか?』

『え?マジ?いや、知らねぇ。てか俺、
まだ転勤したことも言ってねぇかも。』

『それはまた、のんびりだ(笑)』

『ごめん、俺のことはいいや。んで?』

『今はやっと
落ち着いてきたみたいだけだど、
最初の頃は体調整わなくて、
仕事辞めて、入院したり
家で安静にしたりしてたんです。』

『…子供できるまでも、
ちょっとかかったよな?2年?』

『…そのくらい、かな?
で、夜久君に、言われたんです。』

彼女の…アキの…決意。

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