第27章 ウェディングプランナー
ホテルに帰り
部屋に戻ると、アキが言った。
『まだ初日ですよね?
もうすでに1週間分くらい
楽しんだ気がする…夢みたい~。』
夢じゃ、ねーよ(笑)
ほっぺたを…あの柔らかいほっぺたを…
両側から、つまんでひっぱる。
『…アイタタタ(>_<)』
『な、夢じゃないだろ?』
『ホントですね…
いいのかな、こんなに楽しくて。』
『いいに決まってんじゃん。
5か月ぶりだし。
次、いつ会えるかわかんねーし。
今のことだけ考えよう。』
ん、と頷くアキ。
『俺、先に、風呂入ってきていい?』
『あ、どうぞ。私、荷物、開くので。』
…先に風呂場に行き、お湯を溜める。
たくさん歩いたし、たくさん食べた。
熱い湯船に浸からせて、
ゆっくりさせてやりたい。
俺もザブンと湯船に浸かる。
…この後のことを考えると、
もう身体が反応しそうだ。
いつも、電話越しに
興奮をやりとりしてきた。
実物に触れたら、どうなるだろう。
あやうく、
自分で触りたくなる気持ちをグッと堪える。
もうちょっと、待て。
早まるな。
自分でヤるのなんかより
100倍、気持ちいい時間がくる。
…そうやって自分を押さえて
風呂から上がる。
アキは、
カーテンを開き、窓際で夜景を見ていた。
『お待たせ、アキ』
『はーい。』
着替えや入浴グッズを抱えたアキと、
入れ替わる。
『お湯、溜めてっから。
ゆっくり足を揉みほぐしてこいよ。
明日もたくさん歩くだろ?』
『あ、ありがとう。』
『…足以外は、俺が揉みほぐすから。』
(//∇//)
飲んだ後だからか、
それとも何か想像したのか、
赤い顔をしたアキが
浴室に消えていった。
時計を見る。
まだ、10時。
朝まで、ゆっくり、ある。
たくさん…愛して
たくさん…啼かせて
たくさん…欲しがらせて
たくさん…果てさせよう。
5か月分の気持ちを、放出する。
あ、そうだ。
トランクの中から、ゴムを取り出す。
ここ、ラブホじゃねえからな。
いろいろ想定して、
少し多目に持ってきた。
…いろいろ、ってなんだろな(笑)
今ごろ、シャワーの中で
身体を磨いているであろうアキの姿を
想像するだけで、血が駆け巡る。
久しぶりの、
長い夜が、始まる。