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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



そう思ったときに。

…キュルル…

『…私、今、死ぬほど恥ずかしいです。』

笑ってしまう。

『(笑)まずは、腹ごしらえだな。』

『さっき、 チーズケーキ食べ比べセット、
食べたのにぃ…』

『その前に、ウニパスタも食ってたよな?』

『胃袋、北海道仕様に鍛えてきたんです。』

『そりゃ、早く晩飯、食わねぇと(笑)
何が食べたい?』

『お鮨がいい、って。』

『誰が?』

『胃袋が。』

『(大笑)よし、そんじゃ、
寿司屋通り、行ってみっか!』

小樽は寿司の街。
寿司屋がズラリと並ぶ通りは
どこも賑わってるし、うまそうで…

『どこに入りましょうか?』

『アキの胃袋センサーは何て言ってる?』

『全部おいしそうだ、って。』

『…それ、ただの食いしん坊じゃねぇか(笑)
こういう時は、地元の人に聞いてみるか…
すみません、』

仕事帰りのOLさんに声をかける。
女性の口コミは、ガイドブックより
はるかに信用できるからな。

『はい?』

『オススメの寿司屋があったら、
教えてもらえませんか?』

『観光ですか?…好きなネタは?』

『さんま!』『イクラ!』

…二人が同時に答えたら、
OLさんは、笑った。

『その角を右に曲がって2軒目のお店、
地元の人にも評判いいですよ。
お泊まりは、どちらですか?』

『ドルノ、です。』

『なら、お鮨食べたらそのまま右に
真っ直ぐ行くと、運河通りだし。
夜はライトアップが綺麗だから…
ゆっくり歩いて帰るといいかも。』

丁寧に教えてくれた
小樽美人のOLさんにお礼をいい、
言われた店に行ってみると、

大正解、だった。
カウンターで鮨を食うのは久しぶり。

夏だから
旬の魚は少ないかと思っていたけど、
穴子、生ニシン、タコに戻り鰹、
そして、はしりの生サンマも。

日本酒にあわせてゆっくり食べ、
散策しながらbarでカクテルを飲み、
ガス灯に照らされる夜の運河沿いを歩く。

俺たちだけじゃない。
カップルがあっちにもこっちにも。
中には、老夫婦や、中年夫婦も。

俺たちみたいに久しぶりに会う二人も
きっといるんだろうし、

いろんな修羅場を越えてきた二人も

まだ付き合い始めたばかりで
初々しい二人も、いるんだろう。

みんなが
それぞれの時間を噛み締めながら。

夜の運河が、全部を包み込む。

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