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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



おかしく、ないよね?

店の近くのコンビニに立ち寄って化粧を直し
鏡に映る自分を見て、勇気を奮う。

私は、焼酎を飲みに行くだけ。
黒尾さんは、関係ない。

…じゃ、なんで服まで買う?
という心の声をねじ伏せて。

思いきってドアを開けた。

『おっせ~じゃん!こっち~っ!』

店の奥から、
聞き慣れた夜久君の声。
…うるさい。けど、ホッとする(笑)

夜久君めがけて真っ直ぐ歩いた…のに。
夜久君めがけて歩いてるのに、

黒尾さんが目の端にうつる。

少し離れた壁際のソファー席で
男性、女性、入り交じったグループ。
…店のなかで一番、賑やかなグループ。

視線がそっちにいかないように、
ものすごく努力して通りすぎた。

猫又監督の周りには、
夜久君、夏希ちゃん、海さん、
そして芝山さんや研磨社長もいて
ここは比較的、大人のグループ。

…よかった。知ってる人ばっかりだ。

夏希ちゃんの気配りに甘えて
私も、座り込んで飲む。
自分で言うのもなんだけど、
猫又監督に贈った焼酎は本当においしい。
…来てよかった、と思う、単純な私。

焼酎のお陰で
監督ともすっかり話が弾み
海さん達とも盛り上がり始めた頃、
夜久君が、声をあげた。

『二次会、二時間半のプランなので
そろそろ一旦、お開きにしまーす。
まだ飲み足りない人は、あとはそれぞれ
個人でやってくださーい。』

夏希ちゃんや海さんたちが
"早瀬ちゃん、まだ来たばっかり"
"次までいくか?"…なんて言ってくれて
少し嬉しいな、と思った時、

声をあげたのは、猫又監督だった。

『だーめだ。早瀬さんは、帰りなさい』

『えーっ?!監督が私を呼んだのに?!』

『そう。私が帰るから、あなたも帰る。』

海さんが笑う。

『監督、父親じゃあるまいし。』

『だぁめだ。危ない危ない。
心配だから誰か、駅まで送りなさい。
早瀬さん、何線かね?』

『音駒谷線です。』

『誰か音駒谷線のヤツはおるか?』

…あ。イヤな流れかも…と思うとき、
大体物事は、そっち向きに動く法則…

『クロ、だね。』

研磨社長が、ポソッといった言葉を
猫又監督は、聞き逃さなかった…

『黒尾?…黒尾!ちょっと来なさい。』

…あぁ、気が遠くなる。
絶対、やめてほしい、この流れ…



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