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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



『黒尾?…黒尾!ちょっと来なさい。』

猫又監督の声に、
何事かとやってきた黒尾さん。

…私の横に立つ大きな影に
目を向けることが出来ない…

『黒尾、家は音駒谷線か?』

『はい、そうです。』

必死に割って入る私。

『監督、あたし、大丈夫ですから!
まだ10時前だし!そんな飲んでないし!
余裕で一人で帰れます!』

全く気にしない監督。

『早瀬さんを駅まで送りなさい。
年頃のお嬢さんを一人で歩かせては
私が気が済まないからね。』

『年頃のお嬢さん?ククク…』

と笑った夜久君を蹴飛ばそうと思ったら
夏希ちゃんが横でつねってくれてる。
夏希ちゃん、GJ✌

『黒尾、いいね、頼んだよ。』

『あの、監督、黒尾さんはまだこれから
皆さんで飲まれるから、私はホンット…』

『はい、わかりました。』

ええええー( ; ゜Д゜)ッッッッッ

夏希ちゃんにつままれた脇腹を
さすりながら、夜久君が言った。

『早瀬、言っただろ。
飲んだ時の監督命令は絶対。な、クロ。』

な、クロ、じゃないんですっ(>_<)

もう、頭のなかは顔文字だらけの私。

『監督の指示なら俺はいつでも従うし。
それが音駒のキャプテンの仕事だからな。』

…うぇーん(T_T)来なければよかったぁ。
せっかく時間かけて
黒尾さんを想い出にしたのに…

焼酎に欲を出したばかりに
振り出しに戻ってしまった(涙)

人生ゲームだったら、"負け確定"だよ…

もう、でも、抗えない。
とりあえず、ここを出よう。
そして早く駅まで行こう。

とにかく、心にしっかり鍵かけて。
余計なことを考えないように。

優しいことをされないように
自分のことは自分でしっかりと。

三次会に流れる人。
家に帰る人。
連絡先を交換する人。
写メを撮る人。

みんなそれぞれに
動き始めたのをきっかけに
私も立ち上がる。

『猫又監督、ありがとうございました。』

『うちの孫が結婚するときは頼むよー。』

『はい!またご一緒させて下さい!』

気がつけば、黒尾さんが後ろで待っている。

…落ち着け、心臓。
ただの、ちょっと背が高くてオシャレで
イケメンで優しいお兄さんだ…

『行くか?』

『すみません、では駅まで…』

店のざわめきを背にして、歩きだす。

夜の光の中へ。


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