第27章 ウェディングプランナー

あまりに率直な意見に
なんと返事をしていいか…

『黒尾さんがつきあわねぇなら
俺が声かけても、文句ねぇんだな？』

『大将が？』

『おぉ。独身同士、かまわねぇだろ？』

『彼女がよければ、いいんじゃね？』

『酒の好みも合いそうだしなぁ。
じっくりしっぽり、まずは飲みながら話して。』

『…抱く？』

『彼女が望めば、もちろんアリだろ。
俺、楽しませる自信あるから。』

彼女の薄い身体を思い出す。
声をあげるのを恥ずかしがって、
俺の背中に爪、たてながら耐えてた姿。
カプッと肩に噛みついて
声を漏らしながら、果てた姿。

あの姿、大将に見られるのか？

『…うーん、どうだろ。
大将には物足りねぇんじゃないかな？』

『ヤってみねぇとわかんねぇだろ。
大人の男を教えてやりてぇなぁ。』

『冗談やめろよ、大将。』

『気になる？』

『別に、ならねぇけど。
…おかわり、こんにゃくとたまご。』

そんなに食いたくもねぇけど、
話題を変えたくて注文してしまう。
なのに、ほかに話題も浮かばなくて。

『…大将、興味と恋愛は、違うよな？』

『黒尾さん、あんた、頭良すぎで考えすぎ。
どっちでもいいだろ！
まさか、ぴったりタイプの女、
探すつもりじゃねーだろな？』

『普通、探すんじゃね？』

『おもろくねーよっ？
ぴったりタイプなんて、結婚したら
ガッカリすることばっかに決まってら。
…もしかして、前に話してた人妻、
黒尾さんのぴったりタイプ？』

『…俺、話したことあったっけ？』

『前、すっげーここで酔っぱらって
グチってったぞ。別れた直後かなぁ。』

『…超、タイプだった。』

『黒尾さん、これだけは言っとくけどさ、』

俺の顔を見て、ハッキリと。

『どんなにいい女でも
どんなにタイプでも、
ヨソの女はヨソの女だぞ。
手に入らない好みの女より
手にはいる興味のわく女の方が、
絶対、いい。絶対、だ。』

…その通りだと、思うよ。でも。

『大将、そもそも俺、彼女のこと、
そんなに興味あるわけじゃねーんだけど。』

大将は、ガハガハガハ、と笑った。

『逆、逆、興味ありすぎだろ？
だって黒尾さん、今日、あんた
ここ来てからずーっと
彼女の話しかしてねぇぞ？
やめとけ、つったのに焼酎飲んだのも、
彼女が選んだものが気になって、だろ？』

…そう、なのだろうか？