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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー


『あー、潰れちまったか。
ごめんな、黒尾さん。
あんまり飲みっぷりがいいから、
ついつい俺が飲ませすぎちまったなぁ。』

『いや、確かに見てて気持ちいい
飲みっぷり食いっぷりだった(笑)』

『もう暖簾さげるけど、片付け終わるまで
いてもらってかまわねぇよ。』

赤い顔をして、無防備に
気持ち良さそうに寝てる顔を見ると
確かに今すぐ叩き起こすのは忍びない。

『…じゃあ、申し訳ないけど
もうしばらくいさせてもらうな。』

『これお詫び。サービス。』

そう言って差し出された
薄めの水割りと刺身の切れはしを食べながら。

『…彼女、友達?』

『んー、そんな親しいわけでもねぇけど
親しくないわけでもねぇ。』

『恋愛感情はねぇんだ?』

『恋愛感情はねぇけど、興味はある。
夏休みに見つけたセミ、みたいな。』

『そりゃ、興味津々だ(笑)』

『どんな動きするんだ?とか
どんな声で鳴くんだ?とか。
見たことないから好奇心が湧くっていうか。』

ニヤリと笑う大将。

『…どんな声で鳴いた?』

『…』

『寝たんだろ?見てりゃわかる。
彼女、全然、警戒心のない顔してたもんな。
これから始まる男と女だったら
女はもっと気ぃ使って色気出す。』

『もともと色気ナシかもじゃん。』

『色気、なかったか?』

隠せねぇな(苦笑)

『…ムンムンって感じじゃねえけど、
悪くはなかった。
なんか、切れ切れ、切ない声で鳴くセミだった。』

『初めて寝るときはその位がいいよな。』

『そうかな(笑)』

台拭きを持ってテーブルを拭いてまわりながら
寝ている彼女の顔を覗き込んだ大将。

『顔もちょうどいい感じだな。』

『なんだよ、それ(笑)』

『派手すぎず地味すぎず。』

『それ、大将の好み?』

『わかってねぇなぁ、黒尾さん。
あんた、自分がハンサムだから
女も美人が当たり前なんだろ?
でもこのくらいの方が、
素顔でも化粧しても差がなくて安心だぞ。
しかも化粧すればちゃんと化ける。』

『…大将、女に詳しいな。何回、結婚した?』

『三回。離婚も三回。』

『(笑)説得力あるわけだ。』

『だろ?もっと早くいろんなこと知ってたらなぁ。』

『後悔してる?』

『自分はしょうがねぇよ。
でも、女に悪かったなって。
一応、惚れて結婚したはずなのに
結局だぁれも幸せにしてやれなかった。』
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