第6章 ウェディングブーケ
『月島君、ごめん、遅くなった!
あの記者さんたち、及川にメロメロだわ。
また何か企画たてたいっていうから
話が弾んじゃって…
あれ?及川は?先に帰った?』
『何か予定があるって言ってましたよ。』
『あ、今日の記者達と合コン?』
『さあ…
よし、片付けも挨拶も終わってますから、
行きましょう。』
二人で荷物をもって移動する。
『そういえばここ、
月島君が手配してくれたんだってね。
いいとこ、知ってるのね。』
『ちょっとご縁がありまして…
あ、早瀬さん、このドアの向こう、知ってます?
ここは一見の価値ありですよ。』
『えー、知らない。なにがあるの?』
『どうぞ、ごゆっくり。』
…早瀬さんの荷物を奪い取り、
大きなドアを開けて中に押し込んだ。
あとのことは、
俺は、知らない。
でも、きっと大丈夫デショ。
だって、『及川徹』なんだから。