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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第26章 ~恋ネコ⑥~ 留守番プロポーズ



首輪に見えたのは、真っ赤なリボン。

その赤いリボンの真ん中に光る、銀色。

首輪のチャームかと思ったけど
ちょっと違う感じがする。

…もしかして…

プリンからリボンをほどき
銀色を手に取る。

指輪、だ。

…裏側に彫りこまれた、小さな文字。



"いてくれないと、困るから。"



研磨。
こんなメッセージ、
どんな顔して頼んでくれたの?


すぐに、研磨に電話する。

『研磨!』

『…届いた?』

『うん、今。名前、プリンにした。』

『(笑)いいんじゃない?』

『指輪、最初、
首輪の飾りかと思って気付かなかったよ!』

『首輪?』

『…みたいな、赤いリボン。』

『おれ、
ネコにリボンなんかつけてないし。
指輪はビニールに入れて
クロに渡したんだけど。』

『ビニール?!』

『事件現場の証拠品みたいな。』

『ヒドっ(笑)…じゃ、黒尾君が…』

『だね…クロのバカ。
さらっと渡したかったのに。』

『さらっとだったよ。
だって指輪に気付いたの、
黒尾君が帰ってからだったし。』

黒尾君、
子猫に赤いリボン、つけてくれたんだ。
…研磨の性格も、私の気持ちも
よくわかってくれてるんだね…

前に交わした言葉を思い出す。


"俺たちは、研磨を挟んで、ずっとダチだな。"


『クロって…いつもあんな。』

『どんな?』

『人のことになると真面目。』

『最高の友達、だね。』

『…まぁね。で?』

『ん?』

『いてくれないと、困るから。』

『あれって…プロポーズ?』

『…結婚式とかは、したくない。』

うん。
いいよ。

私たちにとっては
会社とプリンが子供。
大事に、大きく育てていかなくちゃ。

そのためには、

私も、研磨がいてくれないと、困るから。

『研磨、待ってる。』

『日曜日に、帰る。そしたら、乾杯する?』

『待ってる。』

『最近、セックスもしてないね。』

『それも、待ってる。』

『おれがいない間、一人でしちゃダメだよ。
おれのじゃないとイっちゃダメ。』

『うん、待ってる。』

『早瀬…素直すぎて、気持ちワルい。』

研磨、君って人は
こんな時にそんなこと(笑)

じゃあ、言ってあげる。

『新規の契約、
決めてこなかったらオシオキだよ!』

『…落ち着く。』

『ばぁか(笑)』

…大好き。
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