第26章 ~恋ネコ⑥~ 留守番プロポーズ
(エピローグ)
『夜っ久ん、俺を勝手に
人のプロポーズの助っ人に推薦すんの、
やめてくんない?』
『もう、大丈夫。』
『大丈夫?何がだよ?』
『みんな結婚したから。
あとはクロが手伝うとしたら
プロポーズじゃなくて…』
『離婚か?』
『ちーがーうーっ(怒)
そうならないように、夫婦喧嘩の仲裁、だろ?』
『あのな、お前ら、なんか間違ってるぞ。
俺はもう、主将じゃねーから。
てかそもそも、
主将はそういう役割じゃねーから。
今までのは、ボランティアだ!』
『俺、クロのこと、
ちょっとだけわかった気がすんだけど、』
『…なんだよ。』
『こじれてる人見ると、放っておけないよね。』
『…なんだ、そりゃ。』
『頼られるの、案外、好きだよね。』
『んなことねーぞ!
俺はのんびり、自分のことを…』
『研磨の奥さんが言ってた。
"黒尾君は、最高の友達だ"って。』
『…女に"友達"って言われて、喜んでいいのか?
男としてはダメじゃねーか?
俺はもっとこう、"危険な香り"的な…』
『クロ、素直に喜べよ。』
『…わーい…』
『そうそう(笑)
そんでさ、そんなクロに
折り入って頼みがあんだけど。』
『なんだよ。また夏希とケンカ?』
『ちがうよ。
猫又監督の監督就任40周年記念パーティーの幹事、
俺と一緒にやってほしいんだ。』
『やるやる!暇だし。』
『…ほらね。楽しそうな顔するじゃん。』
『そーか?』
『うん。暇人代表で、クロ、頼んだ!』
『暇人代表?!』
『いやいや、クロがいてくれると安心なんだ。
な、頼むよ、主将!』
『だからもう、主将じゃねーっつってんのに!
でもまぁ、俺、夜っ久んと研磨には、
一生こき使われ続ける気しかしねぇな(苦笑)。』
~恋ネコ⑥ 留守番プロポーズ 完~