第25章 ~恋ネコ⑤~ 雨降りプロポーズ
アキちゃんとは
それからずっとつきあってます。
山本先輩達とも仲良くしてるし、
実は、
アキちゃんのお兄さんとも
仲良くなりました。
…俺から、近づいたんです。
アキちゃんと付き合うからには
お兄さんとも仲良くなりたくて。
卒業してから、
同じ社会人チームに入って
親しくなってみたら、いい人だった。
ちょっと山本先輩と似てる。
妹のことを大事にしてるお兄さん。
俺、誰とでも仲良くなれるのが
取り柄だって思ってるから。
バレーが超うまいわけではないし
勉強が出来るわけでもないし
エリートサラリーマンでもない。
でも、それでも
アキちゃんと
幸せになりたいって思うから、
俺にできること、
何かしようって思って。
俺は、一人じゃ何にも出来ない。
人とたくさん繋がって、
みんなの力を借りながら生きてくのが
俺なりの、幸せへの道のり。
先輩も、家族も、自分の友達も
アキちゃんの友達も、
みんな、大事にするって決めてるんです。
俺が
アキちゃんと出逢えてよかったな、
って思ってるのと同じくらい、
アキちゃんにも、
俺と出逢えてよかったなって
思ってほしいじゃないですか。
チアで、いろんな人を応援して
元気付けたり
励ましたりしてきたアキちゃん。
だから、
アキちゃんの大事な日は
その分、いろんな人に
祝福してもらいたいな、と思って。
だからプロポーズは
みんなの力を借りることにしました。
俺たちだけじゃなく
関わってくれるみんなにも、
忘れられないような賑やかな日に
したいなー、って思ったから、
俺がその話を親しい何人かにしたら、
…類は友を呼ぶ、って
こういうことなのかな…
たくさんの仲間が賛同してくれました。
Yoo TUBEで見て、
こんなのいいよね、って決めて、
アキちゃんに内緒で
みんなでわいわい
打ち合わせや練習して。
少し、アキちゃんの気持ちが
わかった気がするんです。
誰かのことを喜ばせたい、
誰かを笑顔にしたいって気持ちは
自分も、こんなに楽しくなれる。
みんな、こんなに笑顔になれる。
だからアキちゃんは
いつもあんなに元気で
アキちゃんといると
あんなに楽しいんだ、って。